
片づけられない私の地獄の引っ越し作業
私事ではありますが、最近、引っ越しました。
引っ越し作業というのは誰にとっても大変なものですが、片づけられない私にとってその作業は地獄のようでした。
荷物を段ボールにとりあえず詰めていけばいいのですが、一旦、仮住まいに引っ越さなければならない事情があったので、その間必要な物だけを考えて荷物をまとめなければいけませんでした。
普段から自分の持ち物を管理するのが難しいのに、仮住まいで何が自分にとって本当に必要か、旅行前のパッキングとはいかず、頭の中がパニックになり、結局、精神安定剤を飲んで引っ越し作業から一発退場になりました。
周りの力を借りながらタスクは最小限にする
引っ越し作業から一発退場になったものの、自分の物は何が必要で何が不要かは私にしかわかりません。
お気に入りの洋服などを間違って捨てたくない夫と引っ越し作業ができない私、刻一刻と近づいてくる引っ越し日……。
私たちはどうにかしてこの問題を解決する方法を見つけなければなりませんでした。
そんなとき、夫は私が作業しやすいように作業を非常にシンプルな工程に分けてくれました。
まず、私の洋服だけに分ける、その後、一緒に必要なものかそうでないか、“はい“か“いいえ“で答えるだけにしてくれました。
そして、その中から仮住まいに持っていくかいかないかをまた細かく分けて、少しずつ作業を進めました。
発達障害をのある私は、「できること」と「できないこと」の振り幅がとても大きいです。
自分一人でできないことは誰かに手伝ってもらい、ここまでシンプルな作業だったら“できる”という自信になりました。
仕事でも、大まかなことを任されるとどのように作業していいかわかりません。
「適当にやっておいて」ということの適当さが分からないのです。
日本語は、コミュニケーションが価値観や常識などのコンテクスト(文脈)に大きく依存する、ハイコンテクスト*1な文化の言語と言われます。
英語とは全く違います。
一方、英語はローコンテクスト*2文化の言語で、文脈に頼ることなく言葉でコミュニケーションをとります。
タスクをシンプルに細かく分けることも、コンテクストに頼ることなくタスクを明確にするひとつの方法だと実感しました。
この引っ越し作業を通して、やらなければいけないことを事細かくタスクに分けることによって、その作業に集中できることがわかりました。
私は「人よりもできないこと」や「人のサポートを受けること」に以前は負い目を感じていました。
でも、自分にも得意なことがあると自覚できた時から、苦手なことはそれが自分よりも得意な人に頼ることを覚えました。
完璧な人はいません。
もし、自分が助けてもらったら、自分の得意なことで誰かを助けられたらいいなと思っています。
*2 ローコンテクスト…前提となる、知識やカルチャーの理解がなくても、分かるよう、シンプルで明快なコミュニケーション方法
ミニマリストを目指して身の回りの定期検査を行う
独身時代はモノが溢れた生活をしていましたが、結婚を機に夫に手伝ってもらいながら断捨離し、その時に“ミニマリスト“という言葉を知りました。
アメリカでもこの言葉は広く知られています。
「少数精鋭のお気に入りのもので豊かに暮らす」という考え方は、モノを片づけられない私にとって目から鱗でした。
片づけられないなら、部屋の物を減らしてより管理しやすくすることで、精神的にも落ち着きました。
外出する時もカバンの中で物が迷子にならないように極力、荷物を少なくしています。
完璧なミニマリストを目指さなくても、ミニマリストの精神を心がけていれば、浪費癖も治りました。
でも、気をつけていないと時間が経つにつれて、モノは増えていく不思議。
だからこそ、定期的に自分の身の回りのものを定期検査して、いざという時、地獄の引っ越し作業にならないように…。

ASD/ADHD当事者
日本で長年不登校を経験し、その後アメリカ、カナダへ留学。
17歳の時に発達障害の診断を受けた。
現在は、アメリカ人の夫と国際結婚後、大阪で”言語とアートと文化”をテーマにDOORというプロジェクトを立ち上げ活動している。
DOORプロジェクトSNS