
わたしたちのこと
私はADHD強めの広汎性発達障害で、LDもありますが、そんな中、絵画教室を経営しております。
子供たちと過ごす時間はとても楽しく、充実していると感じます。
しかし、事務作業は苦手で気が向かず、つい後回しにしてしまうことも。
夫は過集中な傾向にあるため、手先の器用さと技術、集中力を必要とする今の仕事は天職であり、やりがいを感じているようです。

ことさんの教室
生い立ち
私は子供の頃から人と居ることが億劫で、「幼稚園に行くのが嫌だ」と強く思っていました。
学生時代も仲良くするのは特定の人だけで、自然と、賑やかさより独りの気楽さを選ぶようになっていました。
小学生時代には、忘れ物をして先生に叱られることが重なり、自信に満ちていた私が次第に自信を無くしていくのが自分でも分かりました。
高校時代は、サーフィンに、バイトに、と行動的に過ごしました。
学校には最低限しか通わず、家で美術予備校の課題の絵に取り組み、睡眠時間も削るほど夢中になる毎日でした。
学生時代も社会に出てからも、いじめに遭うことが何度となくあり、次第に酷い事が起きても、
「こんな私だから酷いことが起こったんだ」
「私だから仕方ない」
と思うようになっていました。
その結果、10代で二次障害のうつを引き起こしましたが、自分に負ける訳にはいきません。
子育て、料理を始め、家事にはいつも前向きでした。
子供の通う教育機関の役員は進んで受け、うつから抜け出すためにはどんな努力も惜しみませんでした。
その頃、我が子に絵を教えていた事がきっかけで、近所の子、学校のお友達、と生徒が増え、ありがたいことに絵画教室の経営へと繋がりました。
再婚
バツイチで子ありの私ですが、寂しがり屋の性格です。
独り暮らしはとても辛いものでした。
そこで、お相手を探すべく、婚活サイトへの登録を決めました。
身近な相手と少しずつ距離が縮まって好きになるという普通の恋愛と違って、婚活ではいきなり恋人前提のような出会いになります。
急に距離を詰められてしまったり、お相手を好きになれなかったりと、決して楽しいものではありませんでした。
発達障害を明かしてダメな人ならいらない。
そう考えると、発達障害はむしろ、いい“ふるい”になる。と考え頑張りました。
夫との出会い
短いプロフィールから選んだ夫は、初めて長続きした相手でした。
プロフィールには、収入や資産も、海外旅行歴も、行きつけのお店も、何の自慢もなく、私はそんな彼が気に入りました。
彼は無口でしたが、無理強いせず優しく穏やかでした。
そうしてやっと漕ぎ着けた出会いですが、私は過去の経験から自分に自信がありません。
週末に説明もなく会えなかったという些細な事がきっかけで「どうせこの恋愛もすぐに壊れてしまうだろう、どうせ幸せになれない」と、まるで駄目になる理由を探しているようでした。
『壊れる前に壊す』という、私の悪い思考の癖が心の中で暴れまわりました。
そして、私の方から突き放すように離れようとすることを繰り返しました。
それでも見捨てず愛してくれた夫は私の本当のパートナーです。
結婚生活
結婚後わずか半年でストレス性の膵炎にかかり、結婚一年半の今も厳しい脂質制限を課されています。
それでも夫は、文句を言わずに「同じものを食べるよ」と言ってお肉は鳥のむね肉ばかり。
お魚は鱈かしらす。外食はおうどんか回転寿司。
工夫はすれど、本人も飽き飽きする食事を一緒に食べ続けてくれています。
そんな夫の温かい気持ちにとても感謝し、幸せを感じています。
凸凹を受け入れる
失敗をしてしまっても、「こういうのが苦手なんだね」とか、「気付いた方がやればいいよね」がふたりの当たり前です。
お互い、人に指示を出すのが苦手ですし、したくないので、自分ができることはどんどんやります。
私が苦手なことは夫が黙ってやっていてくれますし、夫が苦手なんだなと思えば私がやります。
それでも、だんだんお互いが空気のような存在になってくると、感謝の気持ちを忘れそうになります。
だからこそ、「ありがとう」と言葉にすることを大切にしています。

ことさんの作品
喧嘩もします
もちろん喧嘩もしょっちゅうします。
原因の一つとして、私が最近だんだんわがままになってきたことがあります。甘えてしまっているのです。
いえ、敢えて言えば、私は彼だけに甘えることができます。
物心ついてから初めて甘えることができたんです。
今まで我慢することが多くて人に甘えたことがなく、『甘える』という感覚がどうも分からなかったのですが、『わかってほしい』は、『わかってもらえない』の始まり。
と気付き、それを経験してみると結構辛いものだということを知りました。
最近は「求める愛はやめて、与える愛に切り替えないといけないな」と考えています。
求める愛は必ずいつか尽きるけど、与える愛は尽きません。
その人がたとえ消えて無くなろうと、その思いは尽きませんし、愛を与える対象は他にいくらでもいます。
まあ、これは本の受け売りなんですけどね。
でも、心からそう思うのです。
工夫生活
掃除、片付けは好きですが、その反面、家の中で物を無くすことが多いので、家の中でこそ、大事なものを入れるポシェットをいつも下げるようにしています。
スマホとメガネを入れたポシェットごと無くしたり、いつの間にかポシェットが空っぽになっている事もあります。
探し疲れてしまうことも度々です。
夫も発達障害?
実は、夫が発達障害だということはお付き合いが始まってから発覚したんです。
初めて彼を家に呼んで料理をしていた時、彼はテレビを見ていました。
すぐ側のキッチンから何度話しかけても聞こえませんでした。
肩を叩くまで、彼には聞こえないのです。
嫌ではありませんでしたが、「もしかしたら彼も発達障害なのでは?」と感じた瞬間でした。
知り合って1年余りで籍を入れましたが、結婚後もメモの読み落としなど、発達障害が疑われる出来事が度々だったため、一緒に病院に行くと、「発達障害でしょう」との事でした。
その時の夫の反応は、「「そうかなあとは思っていた」とのことで、動揺することなく受け容れていたようです。
この日は、改めてお互いの凸凹を補い合っていこう、と誓い合った日でもありました。
一見やっかいに見える発達障害は、私たちの絆でもあるのです。
私たちは未来をどうしたいかはあまり考えません。
「未来と過去を見過ぎずに、今を味わえる夫婦になっていきたいね」と夫とよく話しています。
お互いを丸ごと受け入れ、「今を大切に」生きていきたいと思っています。
とこ ADHD/LD当事者
桑沢デザイン研究所卒/都内在住の50代で絵画教室代表
ことり絵画教室HP お問い合わせは上記HPのコメント欄からお願いします