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終わらない記事を前にして、考えたこと

本年もどうぞよろしくお願いいたします

新年のご挨拶もできないまま、少し時間が経ってしまいました。
年末年始は、インフルエンザと上咽頭炎にやられ、ほぼ布団の中で過ごしていました。

みなさん、2026年も始まったばかり。いかがお過ごしでしょうか。
編集長のゆーです。
本年もどうぞ、『凸凹といろ。』をよろしくお願いいたします。

終わらない記事を前にして、考えたこと

最近、紹介された記事を読みました。
とても興味深い内容で、「これはぜひ最後まで読みたい」と思ったはずなのに、読み進めても読み進めても、なかなか終わらない。

ふと右側のスクロールバーを見ると、まだページの3分の1ほどしか進んでいない。
そこで一気に、どっと疲れが出てきました。

「これは、読む側の感覚として大事なことかもしれない」

そう思い、私はその記事の文字数を調べてみました。
もちろん自力で数えたわけではなく、文字数カウントのツールを使って。

やっぱり長かった。いや、想像以上に長かった。

結果は、1万文字超え。
それは疲れるはずです。

紙媒体の『凸凹といろ。』で考えると、特集記事で5〜6ページ分を、ほぼ文字だけで埋めてようやく届く文字数です。
いくら内容が素晴らしくても、あまりにも長い文章は、読む人にとって大きな負担になるのだな、と改めて感じました。

そして、読み終わったあとに残ったのは、
内容の良し悪しよりも、「疲れた」という感覚でした。
これは、あまり良い状態ではないな、と思います。

「3,000文字」という目安

以前、あるメディアの記者の方に、
「記事の文字数の目安ってあるんですか?」
と聞いたことがあります。

そのとき返ってきたのが、
「だいたい3,000文字くらいを目安にしています」
という答えでした。

『凸凹といろ。』の誌面でも、2ページの記事でおよそ3,000文字。
そして、ADHDである私自身が、
「注意力や集中力が大きく散漫にならず、最後まで読める」
と感じて決めた目安
でもあります。

当時は、その記者さんの「3,000文字」という言葉に、
「なるほど、やっぱりそれくらいなんだな」
と、どこか安心した程度でした。

けれど今回、実際に“長すぎる記事”を読んだことで、
なぜ「3,000文字」がひとつの目安になるのかを、身をもって体感した気がしました。

調べてみると、日本語の読書速度は、1分あたり400〜600文字ほどと言われています。
仮に500文字/分だとすると、3,000文字の記事は約6分。

集中力が大きく途切れず、
「最後まで読めた」という感覚を持てる、ひとつの限界ラインとも言えそうです。

心理学や認知科学の分野では、「注意資源」や「認知負荷」という考え方があります。
人は一度に処理できる情報量に限界があり、それを長時間使い続けると、理解力や判断力が急激に落ちていきます

特にWeb記事は、スクロールし続ける構造のため、
紙媒体のように全体量や終わりが見えにくい。
その「終わりが見えない」という感覚自体が、疲労につながることもあります。

これは、ADHDに限った話ではありません。
ただ、注意の切り替えが起こりやすい私にとっては、よりはっきりと体感される現象でもあります。

読む側にやさしい設計とは

一方で、3,000文字前後の記事には、

  • 一気に読み切れる
  • 途中で離れても、戻る気力が残る
  • 「読めた」という感覚が、内容の印象を後押しする

そんな、“読む側にやさしい条件”が揃っているように感じます。

もちろん、深いテーマを扱えば、文章は長くなります。
長文そのものが悪い、という話ではありません。

ただ、「伝えたいことの量」と「受け取れる量」は、
必ずしも比例しない
のだと思います。

読み終えたあとに残るものが、
「なるほど」ではなく「疲れた」になってしまうとしたら、
それは内容ではなく、構造や設計の問題なのかもしれません。

『凸凹といろ。』で、紙でもWebでも、
3,000文字前後をひとつの目安にしてきたのは、
情報量よりも、「最後まで読めた、という体験」を大切にしたいという気持ちもあります。
これは、注意力散漫で集中力がもたず、「読みたい」と思って買った本も、綺麗な帯がついたまま積み上げられている私自身に対しての配慮でもあります。

だって、それが原因で「読みたいのに、読めない」っていう、自分を責める材料を日々増やしてしまっているのですから……。

読むことが負担にならないこと。
考える余白が残ること。
そして、読み終えたあとに、少しでも前に進めること。

文字数は、そのための設計でもあるのだと、
あの終わらない記事を前にして、改めて思いました。

ほどよい長さと距離感で。

……と、ここまでつらつら考えたのは、
年末の長期休みを、インフルエンザと上咽頭炎で見事に潰してしまった私の、布団の中での独り言でした。
「年末に、過去記事の更新など頑張ります!」
などと言いながら、何もできていないことへの罪悪感を抱えつつ……(笑)。

気温差の激しい時期です。
みなさんはどうか、体調にはお気をつけて。
仕事が始まる時期になって、あらためて「読む側の感覚」を思い出した、そんなメモでもあります。
今後も、ほどよい長さの文章と、ほどよい距離感で、みなさまとお付き合いできればと思います。

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『凸凹といろ。』のもうひとつのかたち。
原点である紙のフリーペーパーも、ぜひ手に取ってみてください。

編集長・デザイナー

『凸凹といろ。』の発案者で、代表。全体の企画、編集、デザインなどを行なっています。 時間感覚、短期記憶の弱さ、衝動的な発言(失言)や不注意など、自身の発達特性が原因でうまくいかず、 “人と働く”ことは早々に諦め、現在はフリーランスでデザイナー、イラストレーターとして仕事をしています。 やりたいこと、気になることが多すぎて手が回らないのが悩み。 タスク管理や見通しのつきづらい仕事にはなかなか手をつけられないなど困った特性がある反面、思いつきや衝動で動くことも多く、一旦動き始めるととても行動が早い。 雑談や人付き合いへの苦手意識が強いが、基本的に人が大好き。

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